伝染性単核球症
伝染性単核球症とは?
伝染性単核球症とは、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスによる感染症のことです。
口から口への感染が多いので、「キス病」とも言われています。空気感染はしません。
多くが子供のころに感染し、大人になるまでに抗体を持つ病気です。
症状
幼少期から思春期までに多くの子供が感染しますが、ほとんど症状は現れず、軽い風邪やのどを痛める程度の軽い症状で治ります。
また、一度感染すると抗体が出来て免疫を持つため、それ以降は感染することはありません。
しかし、10代後半になってから、EBウイルスに初めて感染すると、約50%で伝染性単核球症の症状が出ると言われています。
主な症状は以下のようなものが挙げられます。
- 発熱(38℃以上)
- 全身に疲れを感じる
- のどの奥(口蓋扁桃)が腫れる
- のどの痛み(痛みで食べ物を飲み込むことができない)
- リンパ節の腫れ
上記以外にも発疹を伴う場合もあります。
治療
ただの風邪だと思って、ご自身で市販の風邪薬などで対処される方もいらっしゃいますが、上述の症状に思い当たる場合、医療機関を受診し、診断の上でお薬を処方してもらうようにしましょう。
決定的な治療法は現時点では見つかっていないため、一般的には対症療法で経過を観察することが多いです。発熱やのどの痛みに対してアセトアミノフェン、イブプロフェンなどの薬を処方します。
伝染性単核球症の確定診断がつく前に、のどの痛みに対して抗生物質を処方されることがありますが、その場合、発疹を誘発してしまうことがあるので注意が必要です。
合併症を発症した場合、ステロイドを使用することもあります。
なお、重症の場合には、肝臓や脾臓が腫れることがあります。安静にする期間が必要ですので、伝染性単核症の診断を受けた場合は、主治医の先生の指示に従いましょう。