耳垢栓塞(じこうせんそく)とは、耳垢が固まってしまい、耳の穴が塞がってしまうことをいいます。
耳には自浄作用が備わっていて、通常は食事や会話などの際に顎を動かすことで耳垢を鼓膜から耳の外へと押し出すことができます。
しかし、耳掃除を誤った方法で行ってしまうと、耳垢を少しずつ耳の奥に押し込んでしまう事があり、外耳道(耳の入り口から鼓膜まで部分)を詰まらせて耳垢栓塞となることがあります。
耳垢は湿性耳垢と乾性耳垢の2つのタイプに分けられ、耳垢栓塞になりやすいのはベトベトした耳垢の湿性耳垢の方です。
日本人の多くは耳垢がカサカサのタイプの乾性耳垢ですが、プールなどで耳垢が水を含んで膨らんでしまい、耳垢栓塞になることもあります。
ご自身もしくはお子様の耳垢を取るのが難しい場合、耳鼻科にて吸引機やピンセットなどで取り除くことができます。
耳の奥で固まってしまった場合は、数日間、耳垢を柔らかくする薬をさして、取り除くことができます。
個人差がありますが、2〜4週間に1回くらいの目安で、綿棒や耳かきで外耳道の入口から約1cm程度の範囲だけを軽く掃除をしてください。
耳掃除を力強くしてしまったり、頻繁に行ったりすると、外耳道炎の原因となるのでご注意ください。
小さなお子様の耳掃除は、体動が激しいと危険な作業となってしまいます。
そのため、日常生活の中で耳の中を覗いたり綿棒で軽く耳を触るなど、ご家庭で耳に触れる機会を作っていただいたり、受診前には「頑張って病院で耳掃除しようね」とお子様を励ましていただくなど、ご両親に協力いただきますとより安全に診察が行えます。
また、平日の午前中に受診していただけますと、少し時間をかけた診察を行えますので、受診の際にはご検討ください。